ホットケーキ2


 雲ちゃんは料理が好きなのか?



(続き)


 今日は朝から家にはりついていなくちゃいかんのでは?と覚悟していたのだが、ちょこちょこっと動いたら解放され、やった〜な気分。
 で、雲ちゃんのご要望にお応えしてでっかい公園に行くことになったのだが、なんだかぐずぐず言い始めて(赤ちゃんか)、ついには「きょうはどこにも行きたくない!」と言い張る男。反対語攻めではあるので、本当は行きたいんだろうが、行こうよ〜と言うと、更に激しく抵抗するので、ほっといたら、ぐちぐちいいながら部屋にこもっていた。


 っつたく、おとこって奴は・・・と思いながら、半分せいせいして、昨日からの心配事からの解放感もあり、ベッドでうとうとしていたら「お腹すいた・・・」と。


 っつたくおとこって奴は。


 腹減ったんだったら自分でなんとかしてみろよ。そんなこともできねぇのか。ったく親の顔が観たいぜ・・・って、あたしが親か。がはは っつうか、お約束ね。


 家にあるおやつを並べ立て(口頭で)、どれがいい?って聞くと、「そんなのやだ」と。


 幼稚園児か!


 しょうがないのでほっといたら、ばたんばたん、からからと聞きなれた音が。


 しばらくして、雲ちゃん、ニヤニヤしながらやってきて「おやつにホットケーキ作る♪」と。

 そんなに嬉しいのか?>ホットケーキ作り。


 公園に行かなくてよくなった(厳密にはそうじゃないんだろうが)ので、こちらも余裕があるし、一応付き添いのため起き上がってキッチンへ。

 

 キッチンへ到着すると、雲ちゃんのテンションは既に高く、わけのわからない、思い出すことも出来ないような鼻歌を歌いながら、用意をしている。
 いつもなら、「自分でとりなさい」とかいうと、「やぁだ、やぁだ。ママとって」とかいう、子どもじみた甘え方をするところでも、「はいはい」とかなんとか言いながら、足取りも軽く、牛乳だの、鋏だのを用意する。

 
 で、混ぜたり、油を引いたり、焼いたりしている間中、わけのわからない鼻歌を歌い、超ハイテンションで動きまわり、親も見たことがないような機嫌のよさ。公園で遊んでいる時でも、こんなに楽しそうじゃねぇぞって感じで。


 「ホットケーキの基本は三段」


とか言いながら、三枚のホットケーキを焼き上げると、「先に食べるぞ〜〜」と宣言し、自分でお茶を用意して、嬉々として食べ始める。既に時刻はお昼を越えていたので、それが雲ちゃんの昼ご飯になりました。


 よほど、ホットケーキが好きなのか、そうでなければ、料理が好きなんだね。「おれ、家庭科得意だと思うな」なんて言ってたし。家庭科を楽しみにする男児ってどうよ。世の中には意外に多いのか?「雲ちゃんが、お料理上手なのはさぁぁぁ、こうやっておうちで時々お手伝いしたり、自分で作って練習したりしてるからだよ。だからね、なんでも頑張って練習すれば、なんでも上手に・・・」と、便乗説教をたれ始めると、さっと立ち去るあたり・・・ったく、おとこって奴は・・・つうか、こんなことに便乗して、ここぞとばかりに説教たれるあたり、ったく、母親って奴は・・・・がはは。


 料理人とかになるのかなぁぁ。俳優とか、弁護士とか、音楽家とかにもなって欲しいんだけどなぁぁ。梅宮辰夫になれば、俳優で料理人ってのにはなれるな・・・つうか、梅宮辰夫になれないし。がはは 大人になったら、梅宮辰夫になってたら、驚きだし。わはは