美容院の新人さん

 私がこの5,6年通っている美容院は、神奈川県下にものすごい数のグループショップ?があり、都内にも数店舗構えている、地方じゃでかい美容院グループらしく、毎年結構な数の新入社員が入り、この時期、各店舗に新人さんが配属されている。


 お、なんか久々にちょっと説明っぽい。つうかまんま説明だし。



 で、今日もぉぉ、そのぉっぉ新人さんがぁぁぁシャンプーーとか〜〜、やってくれたんだけどぉぉおぉぉ、今日のぉぉ新人さんってのは〜〜、うんちゃんの友だちのぉぉお母さんに似てて〜・・・・って誰の真似?わかる人にはわかる。がははっははは


 今日の新人さんは、まったりとした娘さんで、ちょっと・・・いや、かなりぽっちゃり系で、でも、基本的しつけができてる感じの、ちょっとえらそうに言わせていただければ、「いい子だったわよ」って感じのの新人さんだった。



 でね、たぶん、入社直後の社内研修でさ


「私たち、そしてあなたたちは、技術者ですが、ヘアサロンというのはサービス業でもあります。お客様とのコミュニケーションは大事にしてください。では、皆さん、初めてのお客様とブロウしながらお話をする練習をしましょう。」


とかなんとかいうのがあって、新人さんは、お客さんと話さなきゃ、お話しなくちゃ、話し相手にならなくちゃ・・・っていう思いをいつも抱き、会話のきっかけを作ろうと努力しているに違いないわけよ。


 だから、新人さんがシャンプーしてくれたり、ブロウしてくれたり、つなぎの時間に何かしてくれたりするときに、ものすごーーーくわざとらし〜感じで、「今日はお買い物ですか?」とか聞いてきたりするわけね。


「ばかやろう。いま美容院に来てんだよ。買い物してねぇだろうが。それをいうなら、『今日はこのあとお買い物ですか?』だろうが!」


なんてこと、言うわけありませんわよ。おほほ



 これでも若いもんにはそこそこ優しいあたくし・・・しかも、これから社会人として頑張ってやっていこうとしている若人に、「この仕事もなかなかいいな」と思わせてあげなくちゃという使命感(使命って・・・)に燃えこそそれ、そんな気持ちをくじくようなこと・・・ぷぷぷ。



 で、毎回、「ぷぷぷ。あたしにそれを聞く?」みたいな質問に丁寧に答えたりしながら、すごしているわけだが、いつも気になることが・・・・つうか、「あんたたちまだまだ修行が足りんな」と思うことが・・・・



 今日の新人さんもそうだが、最初は、気が強そうな、ちょっと派手目で、なんだか妙にえらそうな中年のおばさん(あたし)にこわごわ話しかけてくる。

 
 が、意外に気さくなおばさん(あたし)の受け答えに、少しほっとして、ちょっとリラックスしてきたあたりで、こっちから話し振ってあげて、会話が続き、何度か笑いをとっているうちに(あたしが)、奴らは完全にリラックスし、安心し、だんだん素にもどるわけよ。


 最初は、ちょっとプライベートな質問にも、余所行き風にこたえていたりするのが、だんだんそこらで友だちのお母さんと話しているかのような雰囲気になってくるわけよ。で、ひどい奴になると、完全に手を休めて、自分のことを話しはじめるわけよ。ブロウならまだしも、噴霧式のトリートメントの最中とかだとさ、「その手休めている時間に噴霧されているトリートメント剤のお金も払ってんだよ〜。虚空に向って噴霧させんじゃねぇよ!」とか思うわけよ。



 あんたたち、お客に話きいてもらってどうすんの。お客の話を引き出して、お客さんに「あーーたのしかった〜♪またここにこようっと」って思ってもらうための会話でしょうが。あんたが本当はアパレル関係に進みたかったみたいな話、なんであたしが聞かなきゃならんのよ。それより、この家庭画報の記事がよみてぇのよ。


 なんてことを考えながら、へぇ〜とか、ほ〜とか言いながら、若い新人さんの話を聞いてるあたしは偽善者?がはは



 でもねぇ、これねぇ、結構面白くてねぇぇ。このときに、「こいつほんとうにどうしようもねぇな」って感じる新人さんは、次にいったとき、だいたいいないのよね。「移動ですか?」って聞くと、「やめたんですよ〜」みたいなことが多い。「この子はちゃんとしてるな〜」って思うと、そのまま順調にそこで働き続けて、お客もついて、カットしてたりするのよね。「一人前になったのね」なんて、あたしから思われてもうれしかないだろうが、こうして、新人さんを見守っているお客が一人いることを、あなたたちな知る由もないわね。




 つうかさ、美容院でパーマしたりカラーしたりすると時間かかってさ、暇なんですもの。



 そういうことかい。がはっははっはっは